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え、同じ?

まったく同じである。並べてみたら区別がつかなくなった。ところがこれらはそれぞれ別のレンズである。もともと先に出ていたほうの筐体を流用することが前提だったのか、それとも設計してみたらサイズが似通ったので同じボディに入れてしまおうということになったのかわからないが、メーカー側からしたらコストダウンになろうから歓迎すべきことなのだろう。

 

しかしユーザーからすればかのカールツァイスというブランドを買っているのであるのであるから露骨な共有はあまり見ていて嬉しいものじゃない。外見がなんだ中身で勝負じゃないかという気持ちも完全に理解している。そんなこたあわかっているのだ。でも高いレンズなのだからちょっとぐらい大きさが違ってもいいんじゃないという気持ちも同時にあるのだ。

 

鏡胴はまったく共通だが、レンズは違う(当たり前だ)。当然設計も違う。方やディスタゴンで方やゾナーである。2/40CFを見た時はレンズがちっさと思ったが、1.8/85は前玉が大きくて迫力があってよろしい。当然重さのほうもかなり違うことになる。ちなみにレンズが小さく見えるのは鏡胴を共通化したせいではなくて、フィルター径をシリーズ通して同じにしているためだ。

 

2/40CF

 

1.8/85

 

パーツの重量を測ってしまうのは自転車乗りの性だ。およそ100グラム違うと持った印象もまったく違う。85ミリはやはりズシッとくる。自転車の世界では軽ければ軽いほど高級だが、レンズの世界では重ければ重いほど高級となる。所変われば品変わるである。もっともこの二本は焦点距離が違うからそうした比較は無意味であり、単に重量が知りたかっただけだ。

 

メーカーはボディを共有したことに罪悪感を感じた(そんなわけない)のか、コストダウンでない証にまったく違うものを取り揃えてきた。それはレンズフードである。

 

ほら、85ミリと40ミリは高さが違うでしょ、ときた。

でも画角が違うからそもそも共有できないのである。それにこの部品を共通化することはできない。広角レンズに深いフードは蹴られてしまうから。このフードはプラスティック製だが軽くていい。金属製を望む声もあるようだが、ぼくはあんまり使わないからプラ製で軽いのは歓迎だ。

 

 正直言って、ボディが共通だとかそんなことはどうでもいいのである。ぼくがカールツァイスのBatisシリーズでどうしても許せないのが、レンズキャップだ。これだけは声を大にして言わなければならない。

 

ちょっと触っただけですぐ外れる。ちょっとした拍子ですぐ落ちる。こんなひどいレンズキャップは今どきちょっと珍しい。いみじくも高級なレンズなのだからもっとしっかりしたレンズキャップをつけてほしい。あのシグマだってもっといいレンズキャップが付いている。ソニー純正のだってずっといい。

 

これは前面のキャップに限らず、レンズのお尻につけるキャップのほうもつくりがちゃちい。シグマのキャップのほうが数倍もマシである。これだけは本当に許せないのだ。カールツァイスには早急に対策品を出すことを検討して頂かなければいけない。いや検討するだけでなく本当に出してもらわないと困る。ぼく怒ってますよ。たぶんBatisシリーズ買った人みんな怒ってますよ。あ次はマクロを是非出してください。