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MATRIX4はメタフィクションで皮肉満載で意味のない映画だった。

 

まず最初に言っておかなければいけないのは、MATRIX4は面白い映画だったということ。その上で。

 

 

 

久しぶりに映画館で映画を観た。コロナ禍直前の滑り込みセーフだったエピソード9以来だったから、実に二年ぶりである。

 

 

 

およそ二十年ぶりに続編が作られた今回のMATRIX4であるが、なぜ今またMATRIXなのかという疑問を映画の中で答えている。それが痛烈なハリウッド批判になっていて、皮肉たっぷりで、そこを表現するためにメタフィクションを取り入れたという寸法である。

 

 

 

結果的に作りたくて作った映画という感じが全然しなくって、どうせやるならめちゃくちゃやってやろうという勢いで作った映画になった。本編中で監督自らの気持ちを吐露しているが、オリジナルの作品を作ることがどれだけ難しいか、その証明をMATRIX4自体がしてしまった格好となった。結局パート1をなぞるような形で物語が進行する。皮肉に力を入れすぎたせいで、謎らしい謎がなく、アクションも通り一遍で単調だ。

 

 

 

MATRIX4MATRIXに興味がなければ見る必要のない映画である。かつてその世界観に熱狂したファンだけが楽しめればそれでいい。続編ものとは言え、ファンを落胆させ、怒りを買ったスターウォーズに比べれば遥かにマシであり、MATRIX4をみて笑うひとはいても怒るひとはいないだろう。

 

 

 

MATRIX4は、ハリウッドを批判しながらも現代のハリウッド映画の文法に則って制作された映画である。だから意味のない映画になった。本当は続編など今更作りたくなかったんですよ。と観て思った。