· 

発売日に入手したのに使えない

 

発売日に入手したのに使えない

 

 

 

A7IVを発売日に入手した。入手困難と騒がれたが予約開始日の午前十時にスタンバって問題なく予約ができた。もっとも現在は在庫の底をついており今予約しても入手は来年二月になるのだとか。

 

 

 

ソニーはA7IVをグローバルで発表しておいて日本国内の発売を未定のまま日本人をやきもきさせたが、十二月に入って発表から発売までほぼ日を明けず結果的に先に発表したアメリカよりも早い発売となった。よほどギリギリまで調整していたのだろう。とにかく待ちに待ったA7IVが手元にやってきた。

 

 

 

さんざんWEBで見知っていたことだが、改めて手にしたA7IVのボディはA7SIIIとほぼアイデンティカルである。ところどころ差別化のためのグレードダウンがされているが概ね同じと言ってよい。新規に設置された写真動画切替レバーは大変便利であり、切望された機能がようやく実装されたものである。従来の露出補正ダイヤルがカスタムダイヤルになったのも嬉しい変更だ。ぼくはここにISO感度を当てている。これで露出、シャッタースピード、ISO感度変更がすべてダイヤル操作でできることになった。これはどの上位機種にもないA7IVだけの利点である。最新機種ならではだ。

 

 

 

よくA7IIIでいいか、A7IVを選ぶかといった動画をYoutubeで見かけるが、こうした操作性の向上は画質云々よりもはるかに恩恵が高いものではないかと思う。A7IIIで不満だった操作性がほとんど改善されているのだから買えるならA7IVで決まりである。

 

 

 

楽しみにしていたA7IVであるが、実はまだ一枚も写真を撮っていない。なぜかと言えば、RAW現像ソフトが対応していないからだ。具体的に言えば、シルキーピックスが対応していないせいである。対応していないとRAWファイルを開けないのである。ぼくは写真をRAWでしか撮らないから、本体を目の前にしてただ眺めていることしかできない。しょうがないからA7IIIA7IVを撮ったりしている。

 

 

 

A7SIIIのときもシルキーピックスの対応待ちで何週間か写真が撮れないでいたが、あちらは基本的に動画専用機なのであまり問題にならなかった。しかしA7IVはむしろ写真メインになるから一日でも早い対応をお願いしたいものである。せっかく発売日に手に入れたのに使えないのはあまりにももったいない。かと言ってJPEGで撮る気はまったくない。

 

 

 

RAW現像ソフトでもLightroomとかCapture Oneなんかはすでに対応しているらしい。いいなあと思いながらもどちらもサブスクなので手を出しづらい。シルキーピックスのいいところは値段が安いところとサブスクじゃないところ。それに操作に慣れてしまったというのもある。そのシルキーピックスも次のバージョン11では大幅に機能向上したらしい。それはそれで楽しみであるが、新カメラ対応はライバルに大きく出遅れているので、できれば年内にはA7IVに対応して欲しいものであるがどうだろうか……。

 

 

 

A7IVはほぼまんまA7SIIIボディであるから、悪いところも全部踏襲している。すなわちヘッドフォンプラグやHDMIを挿すとモニターが干渉して回転しない問題である。バリアングルをやめれば一挙解決だったが、何食わぬ顔でそのまま出してきた。動画ユーザーにも大きく訴求しているのだからそこは改善して欲しかったなあ。A7Sシリーズとは違って数が出るだろうからそこは妥協してほしくなかったなあ。

 

 

 

ところでA7IVから外観がシンプルになった。左肩上部にあった4K SteadyShot INSIDEの文字が消えた。モデル名のバッジが7だけになった。これだけ消えただけだがそれによってずいぶんシンプルな面構えになったと思う。そして個人的にこうした変化は歓迎である。大体カメラ本体にスペックを書き連ねる必要など昔からなかったのである。リコーのGRなんかはその辺を貫いていてどんどんかっこよくなっていったから、ソニーがそこへ追従したのはいい傾向である。ライカなんてほとんどなにも書いてないけど、それがかっこいいでしょ?

 

 

 

A7IVはバリアングルモニターを除けば良いカメラである。A7IIIのときのような衝撃が感じられないと最初は思ったが、それは値段が上がったからであって中身の進化は全方位にグレードアップしていて無印7として文句ない出来ではないかと思う。とくに7SIII譲りのヒートシンクを内蔵したことでオーバーヒートしないボディを無印が手に入れたことは非常に大きい。写真も動画もこれ一台で済むというのは4:2:2 10bitを手に入れたからではなくオーバーヒートしないからである。A7IIIで何度もオーバーヒートに泣かされた身としてはこれほど嬉しいことはないのだ。ハイブリッドの名に恥じないカメラになったと思う。