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唯一無二のデジカメ リコーGR

SONY A7IIIがありながら、なにかと登場機会が多いのがこのリコーGR2だ。前回ブログのA7IIIの写真もこのGR2で撮っている。外出でスマホ以外で写真を撮りそうなときは、ほぼ間違いなくGR2を持っていく。

 

APS-Cサイズのセンサーを搭載したレンズ一体型デジカメという意味では、富士フイルムやライカなど他社でも存在するが、沈胴式レンズを採用しここまでコンパクトなカメラとなると、GRしかない。

 

GRは伝統的に28ミリのレンズを搭載している。個人的には28ミリという画角は苦手だ。さして広いわけでもなく狭いわけでもない、中途半端な画角に思えてフレーミングにいつも苦労する。GRが35ミリだったら言うことないのであるが、多くの人は28ミリに満足しているようなので変わることなどないのだろう。

 

しかし、28ミリが苦手だということを差し置いてもGRは素晴らしいカメラである。また、リコーのGRに対する姿勢も素晴らしい。どういうことかというと、最新機種のGR3になってGR2よりもボディサイズを小さくしたのである。

 

普通メーカーは、営業の意見が強すぎるせいか新しい機種を出すときは機能をてんこ盛りにして肥大化する傾向がある(ソニーのRX100シリーズがその良い例だ)。しかしリコーは小さくした。調査でほとんど使われてないとわかったフラッシュを省略したのも英断だと思う。これは、リコーのGRに対するコンセプトがぶれてない証拠である。

 

久しぶりにGR2の価格を調べてみると、ぼくが買った3年ほど前から値段がほとんど下がってないのに驚いた。GR3がまだ出たてで10万円超えという価格をつけていることから、GR2の需要はまだあるのだろうが、それにしても3年前から値崩れしていないというのはデジカメとしてはすごいことではないだろうか。

 

GRが欲しいひとは競合など見向きもしないでGRだけを見ている。GRに興味のないひとはたとえ安くても手を出すことはない。だからGRの値段は下がらない。リコーはGR市場を作ったのである。

 

GR2は素晴らしいが諸手を挙げて全部良いとは言うつもりはない。曰くAFが遅い、曰く高感度ノイズが多い、曰く1600万画素は今どきちょっと足りない、曰く動画は使い物にならない……などあるにはあるが、ポータビリティが欠点のすべてを一掃する。

 

ぼくは長らくソニーRX100の熱心な愛用者であったが、モデルチェンジごとにおデブになっていくRX100に嫌気が差してGRにスイッチして以来、完全にGR愛用者になった。やはりAPS-Cは魅力だし、なによりもリコーのコンセプトに共感している。