写真のこと

写真のこと · 1月 06日, 2022年
柔らかい光
太陽が厚い雲に遮られて、午後には雪になるかもしれないと天気予報が言っている。 しんしんと底冷えするのは気温が低いからだけではなくて、 日中の薄暗さもまた寒さに加担した。 冬の植物は長持ちする。 それは生を急いでいないからであり、眠っているからである。 表面を固く閉ざし、細胞壁を引き締めて水分の蒸発を最小限にしている。...
写真のこと · 1月 04日, 2022年
鼻くそは業界用語
柊の枝にちょうどいい花瓶がなかったのでペン立てにしていた哺乳瓶を使ってみた。 ところが哺乳瓶の口が広すぎて枝が全然安定しない。頭でっかちのせいで重心が高いため どう置いてもお辞儀してしまって決まらない。 そこで奥の手を出した。必殺鼻くそである。 写真のように枝がビシッととまっているのは瓶の口と枝が鼻くそで止まっているからである。...
写真のこと · 1月 04日, 2022年
Sunstars
豆苗は葉を切ったあとで下の根っこを水につけておくともう一度生えてくる。 豆苗の袋には必ずそう書いてあって、ぜひお試しあれなのであるが実際にやっているひとは どれくらいいるだろうか。 ちなみに出てくるのは一度だけであって、二度目はない。 そもそも豆苗を買うことがあまりないのであるが、生えてくる様子を子どもに見せたら...
写真のこと · 1月 04日, 2022年
一輪挿しに凝る
最近何にはまっているかと言えば一輪挿しである。 昨年偶然であった青人窯という陶芸家がつくる一輪挿しを購入したのをきっかけに いろいろなものを活けて遊ぶようになった。 通常の花瓶と一輪挿しの違いはその口の広さにある。 一輪挿しは口が極端にせまくなっていて、文字通り一枝しか通らないとうになっているわけだ。...
写真のこと · 1月 04日, 2022年
定点観測
小さな子どもたちの一年というのは、大人の一年よりもずっと長い。 同じ地上に住んでいたって、時の流れは平等でなく、すり抜けるように流れたり どこかで滞ったり、渋滞ができたり、かと思えば滝壺めがけてまっしぐら、なんてこともある。 まことに、時間は水の流れのようだ。...
写真のこと · 12月 09日, 2021年
君の名は
君の名は……ヘクソカズラ。 屁糞蔓である。昔のひとはずいぶんぞんざいな名前をつけたものである。 花や葉をちぎると臭いところからこんなネーミングになってしまった。 それにしても屁と糞が一緒になるほどだから臭いんだろうけど、名前を呼ぶたびに屁と糞を連呼しなければ いけないなんてとても上品とは言えませんわお母様。...
写真のこと · 11月 26日, 2021年
静物写真
窓から差し込む光、或いは窓から覗く風景を眺めていつも感じることがある。 それは、光の色に季節があるのかということ。木々の葉の付き方とか、体感温度とか、通りをゆくひとの服装とか 空気中の水分量とかを全部無視して、純粋に光だけを眺めた場合、自分は季節を当てることができるだろうか。...
写真のこと · 6月 21日, 2021年
虫撮り
子どもの頃から昆虫が大好きであるが、大人になってからは虫を捕るよりも撮るほうが好きになった。 少年だった頃はとにかく昆虫を捕獲して所有することに大変な満足感を覚えていたが、年齢を重ねるとともに そうした欲求は衰えていった。たぶんだんだん虫が可哀想と感じるようになってきたのだと思う。...
写真のこと · 4月 07日, 2020年
普段他人が見ている顔が、もっとも自分では見ることができない顔である。 横顔は自分で絶対にみることができない。それで写真を撮ってみてはじめて 自分の横顔を知ることになる。 髪の生える感じとか、耳の形とか、口のでっぱり具合とか、頬のたるみとか。 正面の顔はだいぶ見慣れてきたと思ったが、横顔は全然見慣れないから違和感しかない。...
写真のこと · 4月 06日, 2020年
せっせと自撮りをしている。 だんだん自分の顔に見慣れてきたし、自分の顔がどういう顔をしているのか 客観的に見られるようになってきた。もっともこれは自撮りだからできる表情とも言える。 もし他人に撮影してもらうことになったら照れ笑いでにやけてしまいこんな表情できる 気がしない。...

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