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照れない、がコツ

ポートレイト(プロフィール写真)のサンプル掲載許可を頂いた。

ポートレイトは女性よりも男性のほうが掲載許可をもらいやすい。

例えば家族フォトのようなみんなと一緒の写真なら構わないというひとも、

ポートレイトのようにわりとかしこまった写真となると話が違うようである。

 

今回サンプル掲載いただいたこの方は、写真を撮られ慣れている。

それはあらかじめ聞いていたわけではなくて、写真を撮り始めてすぐにわかった。

カメラに対して照れがない。表情が自然で落ち着いている。ポーズが柔軟でこちらの要望の飲み込みが速い。

結果的に少ないテイクで最高の表情がとれることになる。

 

しかし照れるなと言っても照れてしまうのが人情である。表情が悪いのはカメラマンのせいだと言うのは自由だが、自然な自分らしさを出すために普段から照れない練習をしてみるというのはどうだろうか。それはなにもポートレイトのために練習をするのではなく、普段日常で撮影する写真でも活かすことができるだろう。

 

まず自分の顔を鏡でまじまじと見つめてみよう。鏡は写真と違って前後が逆になるため、実際の写真写りとは違う顔が見えるのであるが、照れない練習なので気にしてはいけない。

鏡に向かって真面目な顔をしてみる。それから顔をくしゃくしゃにしてみる。志村けんのような面白顔をしてみる。

 

どうだろう。だれも見ていないにも関わらず恥ずかしくなったらその恥ずかしさがなくなるまで毎日やろう。するとやがて自分の顔を客観的に見つめられるようになってくる。自分の顔というのがわかってくる。他人が見ているあなたの顔と脳内で変換されていた顔が一致してくる。

 

多くの人がカメラに照れる大きな理由のひとつに、自分の顔をよく見たことがないというのがあるように感じる。それは自分でセルフポートレートを撮ってみてよくわかったことでもある。パスポートの写真が10年間変わらないように、あなたの中の自分の顔が10年前で固定されているということもありうる。過ぎた年月を受け入れるのは酷と思うかもしれないが、自分を正しく認識すると写真写りがよくなるという特典がつく。どちらを取るかはあなた次第である。