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Asahi Takumar 3.5/135

実家で発掘したレンズアサヒ光学のTakumar 135mm F3.5である。父親が老い先短しと断捨離を始めていてでてきたものだ。

本当はカメラ本体と50ミリのレンズもあったはずであるが欲しいという友人にあげてしまったという。実に惜しいことをした。このレンズもそのときに同時になくなっていてもおかしくなかったのであるが発見を免れたのである。

 

みればレンズ内部にカビが発生していて使用に耐えうる代物ではない。が、飾りになると思ってもらってきた。ネットで検索すれば市場価格は1200円程度らしい。いわゆるキットレンズの類で、これと50ミリまたは55ミリがセットになって本体とともに売られていたようである。

 

このレンズが、なのか、この当時のレンズが、なのか詳しくないのでわからないが、絞りリングが2つついている。上段のリングが最大絞りを決定してロックするためのリングで、クリック感がある。下段のリングが実際に使用するリングで上段で決めた最大絞りまで自由に可変するリングになっている。そしてこのリングはクリック感のないスムーズなものだ。

 

なんでこんな機構があるのかわからないが、当時の写真撮影においてあったほうが便利な機能だったのだろう。

 

レンズにはプロテクションフィルターがついていた。ぼくはフィルターつけない派であるが、父親はつける派らしい。面白いとおもったのはこのフィルターが東芝製であるということだ。東芝がこんなものを作っていたなんて今では考えられないことである。

 

アサヒ光学といえばのちのPentaxであり、現在はリコーのPentaxブランドである。スクリューマウントはレンズ交換に手間取り現在主流のバヨネット式に比べて実用性に乏しかった。ひねるだけで交換できるカメラに憧れたのは中学生時代の思い出だ。当時は父親がこんなレンズを持っていることを知らずに50ミリ一本で写真を撮っていた。それに接写リングを何個も積み重ねてセミの幼虫のマクロ撮影に勤しんでいたことをふと思い出して、なんだ今も全然変わってないじゃないかと思った。