移住したらやりたいことのひとつ。それがぬか漬けである。
別に移住しなくてもできたのであるが、ようするに部屋が広くならないと置く場所もなかったのである。
十二月の初旬に仕込み始めたが寒すぎて全然乳酸菌が増えずぬか床が出来上がるまでなんと1ヶ月もかかった。
しかし一度出来てしまえばぬか漬けが作れる。といっても漬けておく期間は3日ほどかかる。それだけ気温が低いのである。
頃合いを見計らって野菜を取り出す。大根と人参、そして蕪。冬の野菜がぬか漬けに変身する。
美味い。乳酸菌がいい仕事をしている。自分で漬けたからという贔屓目もあるだろうが、息子も美味い美味いいって
よく食べてくれる。ぬか床に煮干しだの昆布だのいろいろな調味料を入れて作るひともあるだろうが、ぼくは
あまり味付けしないシンプルなぬか漬けが好きである。野菜の持ち味を活かした素朴なぬか漬け。子供の頃母親が
漬けていて臭い臭いと言っていたが、いざ自分で漬けると臭いどころかぬか床はいい匂いしかしない。
娘が臭い臭いいうので臭いんだろうけれども。