こういうコントラストの低い写真は、ピントが合っているのかいないのかよくわからない写真になる。
蕪の表面にきちんとフォーカスが来ているのであるが、なんとなくぼやっとした印象を受ける。
それで、これでいいのである。なんでもくっきりはっきりぱっきりが尊ばれるのはインスタの弊害であろう。
スマホのような小さいスクリーンでみるにはコントラストや彩度が高い写真が「映える」のは確かだが、
それは味付けの濃いラーメンが美味いと感じるのと同じだ。そういうものばかりを食べているとやがて舌が
バカになって繊細な味付けがわからなくなる。目もまた同様である。わかりやすいものばかりを見ていると
やがて目がバカになってわかりやすいものしか受け入れられなくなってしまう。
だからぼくは商売が下手なんだろうなと思う。わかりやすさを提供しないで、自分で理解しろというんだから
みんなめんどくさがっちゃう。みなさんとってもお忙しいので今すぐわかりやすいのを早く早くと願っている。
マスを狙おうとするとどうしてもそこへ飛び込まざるを得ない。でもぼくはやんない。だってそんなのクソ面白くも
ないもの。